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地図編集・GISの要点

出題数が最も多い分野です。地図投影法地形図の読み取り基盤地図情報ウェブ地図と GIS の 4 本柱で構成されます。投影法は名前の暗記ではなく、投影のしくみから見分けられるようにしておくと確実です。

地図投影法の分類

円筒・円錐・方位という区分は、地球を何の面に投影したかによる分類です。紙を巻きつける様子を想像すれば、経緯線の形は自然に決まります。

分類投影する面地図の輪郭経緯線
円筒図法円筒長方形直交する直線
円錐図法円錐扇形放射状の直線+同心円の弧
方位図法平面(1 点で接する)円形放射状+同心円
長方形なら円筒、扇形なら円錐、円形なら方位。輪郭を見るだけで三大分類は判別できます。円錐と方位は経緯線が似て見えますが、閉じた円か、開いた扇形かで確実に区別できます。

方位図法は中心からの方位が正しいのが最大の特徴です。心射図法は方位図法の一種で、地球の中心を視点とするため大圏(最短経路)が直線として描かれる唯一の図法です。

投影法の性質は同時に満たせない

正角(角度が正しい)と正積(面積が正しい)を同時に満たす平面地図は存在しません。理由はこうです。正角は各点で形が相似になること、つまり縦横が同じ比率で伸縮することを意味します。そこに正積を重ねると伸縮率が 1 でなければならず、局所的に長さまで保つ等長写像になってしまいます。ところが等長写像はガウス曲率を変えないため(ガウスの驚異の定理)、曲率が正の球面を曲率 0 の平面へ写すことはできません。

いっぽう正角と正距正距と正積はそれぞれ同時に満たすことが可能です。「正角と正積」だけが不可能、と押さえてください。

座標系と縮尺係数

座標系ゾーン分割原点の縮尺係数
UTM 座標系経度差 ごと(全 60 帯)0.9996
平面直角座標系全国 19 系0.9999

UTM は「10°ごと」に差し替えた選択肢が定番です。また UTM では負の座標が出ないように原点を東へ 500 km ずらすため、「X 座標は全て負」といった記述は誤りになります。

地理院タイルは Web メルカトル図法1/25,000 地形図は UTM 図法です。両者は別の図法なので、「地形図と同様に UTM を採用」という記述は誤りです。Web メルカトルは地球を真球として扱い、タイルを正方形に分割できるようにした図法です。

地形図の読み取り

実際に測って判断する問題です。次の 3 つを最初に書き出してから各記述に当たると速くなります。

① 1/25,000 では図上 1 cm = 250 m(1 mm = 25 m)
主曲線 10 m ごと、計曲線 50 m ごと
tan 10° ≒ 0.176

傾斜角は tan θ = 高低差 ÷ 水平距離 で判定します。ここで大切なのが、必ず水平距離を測ることです。標高差だけを見ると急に感じますが、水平距離が 1 km あれば標高差 200 m でも 10° には届きません。

斜距離は √(水平距離² + 標高差²)。水平距離だけで基準を超えていれば、標高差を調べるまでもなく判定できます。経緯度は図郭四隅の値からの比例配分で求めます。

河川の流向は、周囲の標高(水準点や三角点の値)を比べて高い側から低い側へと判断します。せき記号からも読み取れます。

基盤地図情報

さまざまな地理空間情報を重ね合わせるための共通の土台です。項目と精度が問われます。

13 項目

測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画の境界線及び代表点、道路縁、河川堤防の表法肩の法線、軌道の中心線、標高点、水涯線、建築物の外周線、町字の境界線及び代表点、街区の境界線及び代表点。

「道路中心線」は 13 項目に含まれません。正しくは道路縁。ここを差し替えた選択肢が頻出です。

精度

区分平面位置高さ
都市計画区域内2.5 m 以内1.0 m 以内
都市計画区域外25 m 以内5.0 m 以内

平面位置で 10 倍の差があります。「区域内と区域外で同一である」という記述は誤りです。なお国が保有する基盤地図情報は、原則としてインターネットで無償提供されています。

ウェブ地図と GIS

現在のウェブ地図はXYZ 方式(あらかじめタイルに分割したデータを配信)が主流です。リクエストのたびにサーバで切り抜く WMS 方式は表示が遅く、過去の方式です。

メルカトル図法は高緯度ほど引き伸ばされるため、同じ距離を表すスケールバーは高緯度ほど画面上で長くなります。

GIS の解析機能

これらの機能が問われるとき、そのデータだけで本当に求まるのかが論点になります。特に建物の高さを DTM から求めようとする選択肢は毎年のように出るので、DSM が必要だと即答できるようにしてください。

この分野の過去問(17問)

令和7年度から順に並べています。設問をクリックすると解説ページが開きます。
令和7年 第24問次の1~5の文は,地理空間情報活用推進基本法(平成19年法律第63号)及び関連省令(平成19…令和7年 第23問次の1~5の文は,防災分野におけるGIS及び地理空間情報の活用方法について述べたものである。…令和7年 第22問次のa~eの文は,地図投影について述べたものである。明らかに間違っているものを全て含み,正し…令和7年 第21問図21は,国土地理院の電子地形図25000の一部(縮尺を変更,一部を改変)である。次のページ…令和6年 第24問次の1〜5の文は、国土地理院がインターネットで提供している地図「地理院地図」をはじめとするウ…令和6年 第23問次の1~5の文は,GISの機能を使った地理空間情報の利用に関して述べたものである。明らかに間…令和6年 第22問地図投影法は,経緯線網の形状によって,円筒図法,円錐図法,方位図法などに分類できる。方位図法…令和6年 第21問図21は,国土地理院刊行の電子地形図25000の一部(縮尺を変更)である。次の1~5の文は,…令和6年 第3問次の1~5の文は,地理情報標準プロファイル(以下「JPGIS」という。)について述べたもので…令和5年 第24問地理空間情報活用推進基本法における基盤地図情報について述べた5つの文のうち、「明らかに間違っ…令和5年 第22問次の文は、ウェブ地図の一つである「地理院地図」や地図投影法について述べたものである。明らかに…令和5年 第21問ある島を国土地理院のウェブ地図「地理院地図」で示したもの。この島の地形を真南から真北に向かっ…令和5年 第3問次の文は、地理情報標準プロファイル(以下「JPGIS」という。)について述べたものである。明…令和4年 第24問地理空間情報活用推進基本法における基盤地図情報について述べたものの中で、明らかに間違っている…令和4年 第22問地図投影法についての5つの文(a~e)の中から、明らかに間違っているものだけの組合せを選ぶ問…令和4年 第21問図21は、国土地理院刊行の電子地形図25000の一部である。次のa~eの文は、この図に表現さ…令和4年 第3問JPGISについて述べた文の空欄ア~オに入る語句の組合せとして最も適当なものを選ぶ問題。JP…
測量士試験 過去問解説(無料)/ 本ページは独学者向けの解説です
出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」を加工して掲載(政府標準利用規約準拠)
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