← 測量士 過去問解説トップ

誤差・統計の要点

誤差・統計は出題数こそ多くありませんが、解き方の型が完全に決まっているため、覚えれば確実に得点できる分野です。出題は「正規分布表を引く問題」と「誤差伝播の法則で標準偏差を合成する問題」の 2 種類にほぼ限られます。

正規分布の問題

与えられるのは平均 μ と標準偏差 σ、そして巻末の正規分布表です。手順は一本道です。

手順

逆に「上位 X %に入る最低点」を問われたら、この手順を逆に使います。上位 3 %なら上側確率 0.03 に対応する Z を表から探し(Z ≒ 1.88)、x = μ + Z・σ で点数に戻します。

最も多い誤答が、確率を 2 で割ってしまうことです。半分にするのは「平均から両側に外れる確率」を扱う場合であって、上位何%という片側の問題では割りません。

また、問題文には使わない数値が紛れていることがあります。「受験者 1,000 人」といった人数は、割合を聞かれている限り答えに影響しません。与えられた数字をすべて使おうとしないことも大切です。

覚えておくと速い包含率

範囲含まれる割合
μ ± σ約 68.3 %
μ ± 2σ約 95.5 %
μ ± 3σ約 99.7 %

確率密度関数の式を選ばせる問題も出ます。正しい形は指数関数 exp を含み、肩の分母が 2σ² になっています。exp のない式が混ぜてあることが多く、そこで半分は切れます。

誤差伝播の法則

測った量から計算で別の量を出すとき、もとの誤差がどう伝わるかを求めるのが誤差伝播です。独立した誤差要因は二乗和の平方根で合成します。

求める量が z = f(x, y) のとき
σz² = (∂f/∂x)²・σx² + (∂f/∂y)²・σy²

よく出る形

トータルステーションで斜距離 D と高低角 θ から高低差 Z = D・sin θ を出す場合。

σZ² = (sin θ・σD)² + (D・cos θ・σθ

第 1 項が距離測定に由来する誤差、第 2 項が角度測定に由来する誤差です。距離が長いほど角度誤差の影響が大きくなることが式から読み取れます。

単位の扱いが最大の失点源

角度の標準偏差は必ずラジアンに換算してから使います。秒で与えられたら 206,265 で割ります(1 rad ≒ 206,265″)。ただし問題文に「1 ラジアン = 2×10⁵ 秒とする」といった指定がある場合はその指定に従います。試験用の簡略値が与えられているのに 206,265 を使うと、選択肢と合わなくなります。

長さの単位も mm に統一してから代入するのが安全です。m と mm が混在したまま二乗すると、1,000 倍のずれがそのまま答えに出ます。

解く順番の型

この 4 段階を崩さずに書き下せば、途中で混乱しません。特に③を代入の前に済ませておくと、単位ミスがほぼ防げます。

この分野の過去問(8問)

令和7年度から順に並べています。設問をクリックすると解説ページが開きます。
令和7年 第8問の観測を行ったところ,表8の結果を得た。方向角Tを290°00′00"としたとき,平面直角座…令和7年 第5問次のa~cの文は,正規分布について述べたものである。ア~エに入る数値の組合せとして最も適当な…令和6年 第16問公共測量におけるトータルステーション(以下「TS」という。)を用いた細部測量において,地形,…令和6年 第5問ある距離の偶然誤差だけを含む一群の測定値について,平均値が80.000m,標準偏差が0.01…令和5年 第14問トータルステーション(TS)を用いて既知点Aから求点Bの高低差Zを観測した。斜距離D₀=20…令和5年 第5問測量の誤差について述べた次の文の空欄ア~ウに入る語句又は数値の組合せとして最も適当なものはど…令和4年 第16問トータルステーション(TS)を用いた高低差測定における標準偏差の計算問題。高低差Z=D·si…令和4年 第5問100点満点の試験で、受験者の得点が平均60点、標準偏差10点の正規分布に従う。1,000人…
測量士試験 過去問解説(無料)/ 本ページは独学者向けの解説です
出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」を加工して掲載(政府標準利用規約準拠)
プライバシーポリシー運営者情報・お問い合わせ