測量士・測量士補 過去問ドリル

📷 写真測量測量士試験 午前 ― 分野別ガイド

出題数の多い分野で、計算問題が毎年出るのが特徴です。重複度の計算と倒れこみの計算は型が決まっているため、確実に得点源にできます。知識問題では標定点と検証点の役割、重複度の数値、センサの能動/受動の区別が繰り返し問われます。

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この分野を解く(20問)

撮影計画の基本式

まず対地高度を出すところから始まります。

地上画素寸法 = 素子寸法 × 対地高度 ÷ 焦点距離

この式を対地高度について解けば H = 地上画素寸法 × 焦点距離 ÷ 素子寸法。撮影範囲は画素数 × 地上画素寸法で求まります。

ここで見落としやすいのが、画面の長辺と短辺のどちらが撮影基線と平行かです。重複度に効くのは基線方向の辺なので、問題文の指定を必ず確認してください。長辺を使ってしまう誤答が典型です。

重複度の計算

標高差のある土地を等高度で撮影する問題が定番です。考え方の芯はこうです。

カメラは同じ高さを飛ぶので、地面が高いほどカメラに近く、写る範囲が狭くなります。撮影基線長は一定なので、範囲が狭い場所ほど重複度は小さくなります。つまり最小の重複度は最も標高の高い地点で起きます。

手順

  • ① 地上画素寸法から撮影基準面での対地高度を出す。
  • ② 撮影基準面での撮影範囲を出す(画素数 × 地上画素寸法)。
  • ③ 最高標高の地点での対地高度を出し、高度比で撮影範囲を縮める。
  • ④ そこでの重複度から撮影基線長を逆算する(基線長 = 範囲 ×(1 − 重複度))。
  • ⑤ 基線長は全域で一定なので、基準面の範囲と比べて重複度を出す。

隣接コース間(サイドラップ)を問われた場合も、考え方はまったく同じです。

倒れこみ

鉛直写真では、高さのある地物は主点から放射方向に倒れこんで写ります。塔の高さを求める問題では次の比例関係を使います。

h = H × Δr ÷ r
(h:地物の高さ、H:対地高度、Δr:像の長さ、r:主点から先端までの距離)

注意したいのが、基準となる面の高さが地物ごとに違うケースです。縮尺を求めるのに使った建物と、高さを求めたい塔とで標高が異なる場合、それぞれの対地高度を分けて考える必要があります。海抜の撮影高度をいったん出してから、各地物の立つ面の標高を引くのが確実です。

重複度の数値を混同しない

測量方法同一コース内隣接コース間
空中写真測量60 %程度30 %程度
UAV 写真点群測量80 %以上60 %以上

UAV のほうが大きいのは、SfM による三次元形状復元に多くの視差が必要だからです。空中写真の 60/30 と取り違える選択肢がよく出ます。

標定点と検証点

この 2 つは役割が正反対です。

標定点は計算の「入力」、検証点は結果の「テスト」。したがって兼用できません。

標定点は三次元形状復元計算に与える点なので、計算結果は当然そこによく合います。その点で精度を測っても「入力どおりに計算できました」という結果しか出ず、評価になりません。検証点は計算に一切使わず、標定点からできるだけ離して配置します。「標定点を検証点としても利用し」という記述は誤りです。

標定点の配置は、作業地域を囲むように置き、さらに最も標高の高い地点と低い地点を含めます。標高方向の精度を確保するためです。

三次元点群測量の手法を区別する

  • UAV 写真点群測量 数値写真から三次元形状復元計算で点群を作る。
  • UAV レーザ測量 レーザ測距装置と位置姿勢データで直接計測する。三次元形状復元計算の工程はない。
  • 車載写真レーザ測量 レーザの距離と、GNSS/IMU による車両の位置・姿勢を組み合わせる。
  • 航空レーザ測量 レーザ測距データと最適軌跡解析データの統合解析。
三次元形状復元計算は「写真」の工程です。レーザ測量の説明に紛れ込んでいたら誤りです。

固定局の基線距離にも基準があります。車載写真レーザ測量だけ 10 km 以内で、空中写真測量・UAV レーザ測量・航空レーザ測量はいずれも 50 km 以内。「車載だけ短い」と覚えてください。

リモートセンシング

センサの分類が出題の中心です。

種類仕組み例
能動型自ら電磁波を出して反射を受ける合成開口レーダ(SAR)、LiDAR
受動型対象が放射・反射する電磁波を受けるだけ光学センサ、熱赤外センサ

SAR は能動型です。「対象物が自ら放射する電磁波を受信する受動型センサ」と書かれていたら、それは熱赤外センサの説明であり取り違えです。

波長の性質も頻出です。植物は近赤外を強く反射し(可視光より反射率が高い)、この差を利用して NDVI などの植生指標が計算されます。またマイクロ波は波長が長く雲を透過しやすいため、天候に左右されない観測ができます。

なお、プッシュブルーム方式のラインセンサは中心投影であって正射投影ではありません。スキャンラインごとに 1 つの投影中心を持ちます。

この分野の過去問 20問

  1. 令和8 第17問 標高が 300 m から 700 m までの範囲にある土地を,デジタル航空カメラを鉛直下に向けて公共測量における数値写真撮影を行う際,撮影範囲全…
  2. 令和8 第18問 次の a ~ e の文は,公共測量における写真地図作成について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の 1 ~ 5 …
  3. 令和8 第19問 公共測量において数値地形モデルを作成するため,図 19 のように航空レーザ測量を実施した。このとき,飛行方向の標準的取得点間距離は幾らか。最も近…
  4. 令和8 第20問 次の a ~ d の文は,公共測量における UAV レーザ測量について述べたものである。ア ~ エ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれ…
  5. 令和7 第17問 UAV 写真点群測量においてデジタルカメラを鉛直下に向けた写真撮影を行うに当たり,標高が 20mから 40mまでの土地を撮影範囲全体にわたって同…
  6. 令和7 第18問 次の 1 ~ 5 の文は,人工衛星からのリモートセンシングについて述べたものである。 明らか に間違っているものはどれか。 次の 1 ~ 5 の…
  7. 令和7 第19問 次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における UAV を用いた測量について述べたものである。明らかに 間違っているものはどれか。 次の 1 ~ 5…
  8. 令和7 第20問 次のa ~ e の文は,公共測量における三次元点群データ作成について述べたものである。明 らかに間違っているものだけの組合せはどれか。 次の 1…
  9. 令和6 第17問 画面距離 10cm,画面の大きさ 17,000 画素×11,000 画素,撮像面での素子寸法 6μmのデジタ ル航空メラを鉛直下に向けて撮影した…
  10. 令和6 第18問 次の a~e の文は,リモートセンシングについて述べたものである。明らかに間違っている ものだけの組合せはどれか。 次の 1~5 の中から選べ。…
  11. 令和6 第19問 次の 1~5 の文は,公共測量における地形測量及び写真測量のうち,三次元点群測量について述べ たものである。 明らかに間違っているものはどれか。…
  12. 令和6 第20問 次の 1~5 の文は,公共測量における UAV(無人航空機)レーザ測量について述べたものである。 明らかに間違っているものはどれか。次の 1~5…
  13. 令和5 第17問 公共測量におけるデジタル航空カメラを鉛直下に向けた空中写真撮影を行うに当たり、標高が150mから350mまでの範囲にある土地を、撮影範囲全体にわ…
  14. 令和5 第18問 次の文は、UAVにより撮影した数値写真を用いて三次元点群データを作成する作業について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。…
  15. 令和5 第19問 数値地形モデルを作成するため、計測時の対地高度2,000mで航空レーザ測量を実施した。このとき、航空機直下の地表面における進行方向の計測間隔は幾…
  16. 令和5 第20問 公共測量における車載写真レーザ測量について、明らかに間違っているものを選べ。…
  17. 令和4 第17問 公共測量におけるUAV写真測量について、以下の文のア~ウに入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。…
  18. 令和4 第18問 公共測量における写真地図の作成について述べた5つの文a~eのうち、「明らかに間違っているものだけの組合せ」を選ぶ問題。…
  19. 令和4 第19問 公共測量におけるデジタル航空カメラを鉛直下に向けた空中写真撮影を行うに当たり、標高が200mから600mまでの範囲にある土地を撮影範囲全体にわた…
  20. 令和4 第20問 次の文は,公共測量における三次元点群データの作成について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。…