測量士・測量士補 過去問ドリル

🗺️ 地形測量測量士試験 午前 ― 分野別ガイド

現地に出て地形・地物を測り、数値地形図データを作る分野です。使用機器と精度の基準、そしてDTM と DSM の違いが繰り返し問われます。「そのデータで本当にそれが求まるのか」を考える習慣が、そのまま得点につながります。

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この分野を解く(13問)

現地測量の基準

現地測量は地形図を作るための細部測量なので、基準点測量ほど高い等級は求められません。

  • 使用する基準点 4 級基準点、簡易水準点、またはこれと同等以上
  • 使用する機器 3 級トータルステーション、または 2 級 GNSS 測量機と同等以上
  • 作成する数値地形図データの地図情報レベル 原則 1000 以下(250・500・1000 が標準)

測定した座標値には、その地物が何であるかを示す分類コードを付します。座標だけでは点の集まりにすぎず、分類コードがあって初めて地図として編集できます。

現地で測れるものと測れないもの

現地で測定するのは地性線(尾根線・谷線など地形の骨格)と標高です。ジオイド高は現地で測るものではなく、ジオイド・モデルから内挿して与えます。

「地性線及びジオイド高を測定し」という選択肢は、この点で誤りになります。重力に由来する量が現地測定の選択肢に混ざっていたら疑ってください。

GNSS を使った現地測量

GNSS は座標を直接決める測り方なので、「ある一点から基準方向との交角と距離を測る」という記述が出たら、それは TS の放射法であり誤りです。

数値の基準

項目基準
セット間較差の許容範囲水平 20 mm、高さ 30 mm
使用衛星数5 衛星以上(GLONASS 併用時は 6 衛星以上)
地形・地物の測定1 セット、FIX 解を得てから 10 エポック以上
TS 点の設置2 セット(1 セット目を採用値、2 セット目を点検値)
単点観測法の整合確認既知点 3 点以上

高さの許容値だけ緩いのは、衛星が上空にしか存在せず、高さ方向は幾何学的に不利だからです。数値の暗記ではなく理由で覚えると、どちらが大きいか迷いません。

周辺の既知点と整合しない場合、水平方向はヘルマート変換などで整合処理を行います。

地上レーザスキャナ

据え付けた位置からレーザを照射して点群を得る手法です。運用の原則が問われます。

  • 計測方向は低い方から高い方へ(仰ぎ見る)が原則。見下ろすとレーザのスポットが伸びて点群間隔が広がり、手前の地形が死角を作ります。直感と逆なので注意。
  • 同一箇所から複数回計測するときは器械高を変える。同じ高さでは同じ死角を繰り返すだけになります。
  • 標定点は観測の有効範囲の外に設置するのが原則。
  • 距離観測方法は TOF 方式または位相差方式。
  • 空中に煙や水蒸気などの浮遊物があると、その大きさや密度によって空中に点群が生成されることがあります。

数値地形モデル(DTM・DEM・DSM)

この分野で最も差がつく論点です。3 つの違いを正確に押さえてください。

名称表す面
DSM(数値表層モデル)樹木・建物を含む、見えている表面の高さ
DEM / DTM(数値標高モデル・数値地形モデル)樹木・建物を除いた地面そのものの高さ
建物や樹木の高さを求めるには DSM が必要です。DTM や DEM は地面しか表さないので、建築物の外周線と組み合わせても高さは出ません。この形の選択肢は毎年のように出ます。

差分を取るときの注意

斜面崩壊の土砂量などを差分から求める問題では、2 つの誤りが仕込まれます。ひとつは種類の違うモデルを引き算すること(発災前が DSM、発災後が DEM など)で、これでは樹木の高さまで差に含まれてしまいます。比較するなら前後とも同じ種類でなければなりません。

もうひとつは差に面積を掛けて体積とすること。高さの変化は場所ごとに違うため、代表値に面積を掛けても正確な体積にはなりません。格子ごとの差を積算する必要があります。

格子間隔と地図情報レベル

格子間隔は小さいほど詳細です。等高線を作る場合の目安は次のとおりです。

  • 地図情報レベル 2500 の等高線 → 格子間隔 2 m の DTM
  • 地図情報レベル 5000 の等高線 → 格子間隔 5 m の DTM

数値地形図データの修正

既存データを修正できるかどうかは、精度が足りているかだけで決まります。

粗いデータで細かいデータは修正できません。地図情報レベル 2500 の基盤地図情報を使って、レベル 1000 のデータを修正することはできません。

写真地図から修正データを取る場合も、レベル 1000 なら地上画素寸法 0.2 m 以内が必要です。数値が足りていない選択肢を見抜く問題として出題されます。

この分野の過去問 13問

  1. 令和8 第14問 次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における現地測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。…
  2. 令和8 第16問 次の a ~ c の文は,公共測量における地上レーザ測量について述べたものである。ア ~ ウ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次…
  3. 令和7 第14問 次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における地形測量のうち,現地測量について述べたものである。 明らかに間違っているものはどれか。 次の 1 ~ …
  4. 令和7 第15問 次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における地形測量のうち, GNSS 測量機を用いた現地測量につ いて述べたものである。 明らかに間違っているも…
  5. 令和7 第16問 次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における地上レーザ測量について述べたものである。明らかに 間違っているものはどれか。 次の 1 ~ 5 の中か…
  6. 令和6 第14問 次の 1~5 の文は,公共測量における地形測量のうち,GNSS 測量機を用いた現地測量について述 べたものである。明らかに間違っているものはどれ…
  7. 令和6 第15問 A 市では,5 年前に作成した地図情報レベル 1000 の数値地形図データを公共測量により修正する こととした。 次の a〜e の文は,その作業…
  8. 令和5 第15問 公共測量による地形測量のうち、GNSS測量機を用いた現地測量について述べたもので、明らかに間違っているものはどれか。…
  9. 令和5 第16問 公共測量における地上レーザスキャナを用いた数値地形図データ作成について、明らかに間違っているものだけの組合せを選べ。…
  10. 令和5 第23問 数値地形モデル(DTM)の活用について述べた次の文の中から、明らかに間違っているものを選ぶ問題。…
  11. 令和4 第14問 GNSS測量機を用いた現地測量について、明らかに間違っているものはどれか。…
  12. 令和4 第15問 公共測量における地上レーザスキャナを用いた地形測量について、明らかに間違っているものはどれか。…
  13. 令和4 第23問 公共測量における地図情報レベル2500の等高線作成に関する穴埋め問題。航空レーザ測量で作成するDTMの格子間隔、格子間隔と地形断面図の詳細度の関…