現地測量の基準
現地測量は地形図を作るための細部測量なので、基準点測量ほど高い等級は求められません。
- 使用する基準点 4 級基準点、簡易水準点、またはこれと同等以上
- 使用する機器 3 級トータルステーション、または 2 級 GNSS 測量機と同等以上
- 作成する数値地形図データの地図情報レベル 原則 1000 以下(250・500・1000 が標準)
測定した座標値には、その地物が何であるかを示す分類コードを付します。座標だけでは点の集まりにすぎず、分類コードがあって初めて地図として編集できます。
現地で測れるものと測れないもの
「地性線及びジオイド高を測定し」という選択肢は、この点で誤りになります。重力に由来する量が現地測定の選択肢に混ざっていたら疑ってください。
GNSS を使った現地測量
GNSS は座標を直接決める測り方なので、「ある一点から基準方向との交角と距離を測る」という記述が出たら、それは TS の放射法であり誤りです。
数値の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| セット間較差の許容範囲 | 水平 20 mm、高さ 30 mm |
| 使用衛星数 | 5 衛星以上(GLONASS 併用時は 6 衛星以上) |
| 地形・地物の測定 | 1 セット、FIX 解を得てから 10 エポック以上 |
| TS 点の設置 | 2 セット(1 セット目を採用値、2 セット目を点検値) |
| 単点観測法の整合確認 | 既知点 3 点以上 |
高さの許容値だけ緩いのは、衛星が上空にしか存在せず、高さ方向は幾何学的に不利だからです。数値の暗記ではなく理由で覚えると、どちらが大きいか迷いません。
周辺の既知点と整合しない場合、水平方向はヘルマート変換などで整合処理を行います。
地上レーザスキャナ
据え付けた位置からレーザを照射して点群を得る手法です。運用の原則が問われます。
- 計測方向は低い方から高い方へ(仰ぎ見る)が原則。見下ろすとレーザのスポットが伸びて点群間隔が広がり、手前の地形が死角を作ります。直感と逆なので注意。
- 同一箇所から複数回計測するときは器械高を変える。同じ高さでは同じ死角を繰り返すだけになります。
- 標定点は観測の有効範囲の外に設置するのが原則。
- 距離観測方法は TOF 方式または位相差方式。
- 空中に煙や水蒸気などの浮遊物があると、その大きさや密度によって空中に点群が生成されることがあります。
数値地形モデル(DTM・DEM・DSM)
この分野で最も差がつく論点です。3 つの違いを正確に押さえてください。
| 名称 | 表す面 |
|---|---|
| DSM(数値表層モデル) | 樹木・建物を含む、見えている表面の高さ |
| DEM / DTM(数値標高モデル・数値地形モデル) | 樹木・建物を除いた地面そのものの高さ |
差分を取るときの注意
斜面崩壊の土砂量などを差分から求める問題では、2 つの誤りが仕込まれます。ひとつは種類の違うモデルを引き算すること(発災前が DSM、発災後が DEM など)で、これでは樹木の高さまで差に含まれてしまいます。比較するなら前後とも同じ種類でなければなりません。
もうひとつは差に面積を掛けて体積とすること。高さの変化は場所ごとに違うため、代表値に面積を掛けても正確な体積にはなりません。格子ごとの差を積算する必要があります。
格子間隔と地図情報レベル
格子間隔は小さいほど詳細です。等高線を作る場合の目安は次のとおりです。
- 地図情報レベル 2500 の等高線 → 格子間隔 2 m の DTM
- 地図情報レベル 5000 の等高線 → 格子間隔 5 m の DTM
数値地形図データの修正
既存データを修正できるかどうかは、精度が足りているかだけで決まります。
写真地図から修正データを取る場合も、レベル 1000 なら地上画素寸法 0.2 m 以内が必要です。数値が足りていない選択肢を見抜く問題として出題されます。