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測量士試験 令和7年 午前 第15問
〔地形測量〕の解説・解答

📅 2025年5月18日実施 / 📄 公式問題PDF 📋 公式解答PDF
第15問 🗺️ 地形測量
📋 問題文

次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における地形測量のうち, GNSS 測量機を用いた現地測量につ いて述べたものである。 明らかに間違っているものはどれか。 次の 1 ~ 5 の中から選べ。

1. ネットワーク型 RTK 法による地形,地物等の測定では,GPS,準天頂衛星システム及び GLONASS を用いることができる。
2. ネットワーク型 RTK 法による地形,地物等の測定は,ある一つの点から,基準方向と各細部 点の交角及び距離を測定する手法で行うことができる。
3. ネットワーク型 RTK 法の単点観測法により測定した結果が周辺の既知点と整合していない場 合,水平の整合処理はヘルマート変換などの適切な方法を採用する。
4. RTK 法による地形,地物等の測定において,初期化を行う観測点では,観測値の点検のた め,1 セット目の観測終了後に再初期化を行い,2 セット目の観測を行う。
5. キネマティック法又は RTK 法による TS 点の設置の際,観測値を点検する場合の較差の許容 範囲は,水平面の南北成分と東西成分が 20mm,水平面からの高さ成分が 30mm である。
📄 原典の問題ページ(画像)
元問題
💡 解説

GNSS 測量機を用いた現地測量に関する正誤判定。
本問の急所は、GNSS と TS では位置の決め方が根本的に違うという点にある。TS は既知点に据えて「基準となる方向からの角度」と「距離」を測り、そこから計算で座標を出す(放射法)。これに対し GNSS は衛星からの電波によって観測点そのものの座標を直接求める。角度を測る機能も、基準方向を視準する機能も持っていない。この違いを踏まえて選択肢を読む。

1. 正しい。

ネットワーク型 RTK 法による地形・地物等の測定では、GPS・準天頂衛星システム・GLONASS を用いることができる。複数の測位システムを組み合わせれば使用できる衛星数が増え、上空が開けにくい場所でも観測できる時間帯が広がる。記述のとおり。

2. 誤り。 ← これが正解

「ある一つの点から、基準方向と各細部点の交角及び距離を測定する手法」とは、まさにトータルステーションによる放射法の説明である。GNSS にはこの測り方はできない。
GNSS 測量機が求めるのは、その点に整置したアンテナ自身の三次元座標である。細部点を測るなら、その細部点ごとに測量機を据えて座標を得るのであって、どこか一点に構えて周囲を見回しながら角度と距離を測っていくわけではない。そもそも見通し(視通)が不要なのが GNSS の利点であり、視通を前提とする放射法とは発想が正反対といえる。
したがって、ネットワーク型 RTK 法の測定方法としてこの記述は誤り。

3. 正しい。

ネットワーク型 RTK 法の単点観測法で得た結果が周辺の既知点と整合しない場合、水平方向の整合処理にはヘルマート変換などの適切な方法を用いる。ヘルマート変換は、平行移動・回転・拡大縮小を組み合わせて座標系全体をずらす手法で、既知点との系統的なずれを補正するのに適している。記述のとおり。

4. 正しい。

RTK 法では、観測を始める前に初期化(整数値バイアスの決定)が必要になる。この初期化が誤った値で固定されると、以後の観測がまとめて狂う。そこで 1 セット目が終わったらあえて再初期化してから 2 セット目を行い、両者が一致するかで初期化の正しさを点検する。記述のとおり。

5. 正しい。

キネマティック法・RTK 法による TS 点設置での較差の許容範囲は、水平(南北・東西成分)20 mm、高さ成分 30 mm。GNSS は衛星が空の上方にしか存在しないため、高さ方向は水平方向より幾何学的に不利で精度が落ちる。その分、許容値も大きく設定されている。記述のとおり。

誤りは 2 のみ。よって 選択肢 2
💡 GNSS は座標を直接決める。「基準方向」「交角」「視通」といった語が GNSS の選択肢に出てきたら、それは TS の測り方が紛れ込んでいる合図。数値の暗記(水平20mm・高さ30mm)より、この性質の違いが本筋。

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出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」を加工して掲載(政府標準利用規約準拠)
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