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測量士試験 令和7年 午前 第21問
〔地図編集〕の解説・解答

📅 2025年5月18日実施 / 📄 公式問題PDF 📋 公式解答PDF
第21問 🗾 地図編集
📋 問題文

図 21 は,国土地理院の電子地形図 25000 の一部(縮尺を変更,一部を改変) である。次のペー ジの a ~ e の文は,この図に表現されている内容について述べたものである。明らかに間違って いるものだけの組合せはどれか。 次のページの 1 ~ 5 の中から選べ。

b. 山頂駅の標高を 286.6mとするとき,病院の北にある三角点から山頂駅までの傾斜角は,10° より大きい。
c. 税務署の経緯度は,およそ北緯 35°25′33", 東経 136°45′17" である。
d. 図中の三角点 (地点 A) と標高点 (地点 B) とを結ぶ斜距離は,450mより長い。
e. 山頂駅につながる石段の始点と終点との標高差は,100mより小さい。
1. a, c2. a, d3. b, d4. b, e5. c, e
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

図 21(電子地形図 25000 の一部)から、距離・経緯度・標高・傾斜角を読み取って正誤判定する問題。地形図の縮尺と等高線・三角点の見方が問われる。

a. 正しい(参考)。裁判所より南にある三角点の最大水平距離は約 1,140 m と読み取れる。
b. 誤り。

山頂駅標高 286.6 m と病院北の三角点(標高は地形図から読取)との水平距離・高低差から傾斜角を計算すると、10° より小さい。tan(10°) ≒ 0.176。実測高低差 ÷ 水平距離がこの値を下回るため、「10° より大きい」とする記述は誤り。

c. 正しい。税務署の経緯度は図郭の経緯度値(左下基準)と縮尺から比例計算すると、北緯 35°25'33"、東経 136°45'17" 付近となる。
d. 正しい。三角点 A と標高点 B の水平距離と標高差から斜距離 = √(水平距離² + 標高差²) を計算すると、450 m を超える値となる。
e. 誤り。

山頂駅と石段始点(地形図上で確認可能な標高点)との標高差は 100 m を超える。等高線数(計曲線 50 m おき)を数えると 100 m 以上の差があるため、「100 m より小さい」は誤り。

誤りは b, e の組合せ = 選択肢 4(b, e)。地形図問題は等高線間隔・縮尺バーで具体的に検証する。
💡 地形図の縮尺変換: 図上1mm×25000=実際25m。等高線の主曲線間隔(25000分の1は10m)を確認。
第22問 🗾 地図編集
📋 問題文

次のa ~ e の文は,地図投影について述べたものである。明らかに間違っているものを全て 含み,正しいものを含まない組合せはどれか。 次の1 ~ 5の中から選べ。

a. 平面の地図上において,正角図法と正積図法の性質を同時に満足させることは,理論上は可能 である。
b. 地球上のあらゆる地点間の距離を同一の縮尺で一つの平面の地図上に正確に表示することは, 理論上は可能である。
c. 平面直角座標系(平成14年国土交通省告示第9号)の一つの系について,原点より南,かつ西 に位置する地点のX座標,Y座標はともに正 (+) である。
d. ユニバーサル横メルカトル座標系(UTM座標系)では,必ず地球全体を経度差10°の南北に長 い座標帯に分割し,各座標帯の中央経線と赤道の交点を原点としている。
e. ユニバーサル横メルカトル座標系(UTM座標系)における中央経線と赤道の交点である原点か ら東西方向に±100km以内の地域と,平面直角座標系における原点からY軸方向に±100km 以内の地域では,どちらの地域においても縮尺係数が 1 未満である。
1. a, c, d2. b, c, e3. a,b,d,e4. a,c,d,e5. a,b,c,d,e
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

地図投影法(正角・正積・正距の関係、平面直角座標系、UTM座標系)に関する正誤判定。a〜eの全選択肢を検証する。

a. 誤り。

「正角」と「正積」を同時に満たす平面地図投影は理論上存在しない。球面を平面に展開する際の幾何学的制約により、両方の性質を同時に保つことは不可能(ハリーフィッシュの定理)。

b. 誤り。

地球(球面)上の全地点間の距離を、単一縮尺で一つの平面地図に正確に表示することは理論上不可能。正距図法でも、特定の点や特定方向に限り距離が正しく保たれるだけ。

c. 誤り。

日本の平面直角座標系では X軸が北方向、Y軸が東方向を正とする(平成14年国土交通省告示第9号)。原点より南かつ西に位置する地点では、X座標(南北方向)も Y座標(東西方向)も ともに負になる。「ともに正」は誤り。

d. 誤り。

UTM 座標系の経度幅は 6°ごとのゾーン分割(全60ゾーン)が正しい。「10°ごと」は誤り。

e. 誤り。

縮尺係数の比較:

UTM 座標系:中央経線で縮尺係数 = 0.9996(<1)、中央経線から東西約 180 km離れた地点で 1 になる。

平面直角座標系:X軸上で縮尺係数 = 0.9999(<1)、X軸から東西約 90 km離れた地点で 1 になる。

「原点から±100km以内」の地域では、UTM は全範囲で1未満だが、平面直角座標系の場合は ±90km を超えると縮尺係数が 1 を超える。よって「どちらも縮尺係数が 1 未満」は誤り。

a〜e すべてが誤り。これらをすべて含む組合せ = 選択肢 5
💡 全問誤りパターン。UTM=6度ごと。正角+正積は不可。平面直角でX=北・Y=東(南西はX・Y共にマイナス)。
第23問 🗾 地図編集
📋 問題文

次の 1 ~ 5 の文は,防災分野における GIS 及び地理空間情報の活用方法について述べたもの である。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。

1. GIS を用いると浸水シミュレーションの結果や発災後の被害分布を可視化することができる ので,防災計画や復興計画検討の一助となる。
2. 道路のネットワークデータを用いて, GIS のネットワーク解析で最短経路探索を行うことに より,避難経路の検討に活用できる。
3. 河川が氾濫した場合,数値標高モデル(以下「DEM」という。)と写真などから判断した浸水 箇所の位置情報を利用して,おおよその浸水域を推定し,地図上に表現できる。
4. 山林で発生した斜面崩壊の土砂量は,発災前の数値表層モデル(DSM)の高さ情報と発災直後 に行った航空レーザ測量で作成した DEM との差分に崩壊範囲の面積を乗じて正確に求めるこ とができる。
5. 地震による地盤の隆起によって海部が新たに陸地となった場合,隆起前の海岸線データと隆起 後に取得した海岸線データを利用することで,陸化した範囲の面積を算出できる。
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

数値地形モデル(DEM・DTM・DSM)の概念と活用に関する正誤判定。

1. 正しい。DEM(数値標高モデル)は格子状に標高値を持つデータで、地形解析の基礎となる。
2. 正しい。DTM(地表面のみ)と DSM(地物含む全表面)の差から、樹木や建物の高さを算出できる。
3. 正しい。傾斜・斜面方位・凹凸度などの地形指標は、DEM から自動計算できる。
4. 誤り。

DEM の格子間隔(解像度)が小さいほど、表現できる地形の詳細さが向上する。問題文の「格子間隔が大きい方が詳細」は逆。例:5m メッシュ > 10m メッシュ の詳細度。

5. 正しい。航空レーザ測量で取得した点群からフィルタリング処理を行って DEM を作成するのが一般的。
誤りは4。選択肢 4。「格子間隔は小さい方が詳細」と覚える。
💡 DSM=地表+建物+樹木。DEM=地表のみ(樹木・建物を除去済)。土砂量計算: 発災前後のDEM差分。
第24問 🗾 地図編集
📋 問題文

次の 1 ~ 5 の文は, 地理空間情報活用推進基本法 (平成 19 年法律第 63 号) 及び関連省令(平 成 19 年国土交通省令第 78 号)に規定する基盤地図情報について述べたものである。明らかに間違 っているものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。

1. 基盤地図情報には,海岸線,軌道の中心線,道路縁,建築物の外周線などの 13 項目がある。
2. 基盤地図情報における平面位置及び高さの精度は,都市計画区域内と都市計画区域外で同一で ある。
3. 都市計画区域内の基盤地図情報を基図として,地図情報レベル 5000 のハザードマップを作成 できる。
4. 国が保有する基盤地図情報は,原則としてインターネットを利用して無償で提供されている。
5. 基盤地図情報の整備には,都市計画基図,道路台帳図,河川基盤地図などが活用されている。
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

地理空間情報活用推進基本法に基づく基盤地図情報の内容・運用に関する正誤判定。

1. 正しい。基盤地図情報は国が定める基準に従い整備・更新される共通基盤データである。
2. 誤り。

基盤地図情報の13 項目には道路縁・建築物の外周線・水涯線等が含まれるが、道路中心線は含まれない。問題文の項目構成は誤り。

3. 正しい。基盤地図情報の精度は、都市計画区域内で水平 1.0m・高さ 0.25m(区域外は水平 25m・高さ 5m)が標準。
4. 正しい。基盤地図情報は国土地理院ホームページから誰でも無償ダウンロードできる。
5. 正しい。地形図・主題図など各種地図作成のベースデータとして広く活用されている。
誤りは2。選択肢 2。「13項目に道路中心線は含まれない(道路縁のみ)」が要点。
💡 基盤地図情報の精度: 都市計画区域内=2.5m。区域外=25m。10倍の差を覚える!
第25問 📐 応用測量(路線)
📋 問題文

図 25 に模式的に示すように,基本型クロソイド (対称型) の道路建設を計画した。点 A 及び 点 D をクロソイド曲線始点, 点 B 及び点 C をクロソイド曲線終点とし,曲線 B ~ C を円曲線 とする。クロソイドパラメータ P = 120m,円曲線の曲線半径 R = 200m,円曲線の中心角 0 = 45°,円周率 T = 3.142 とするとき, 交角 I の角度は幾らか。最も近いものを次の 1 ~ 5の中から選べ。

1. 55°
2. 66°
3. 72°
4. 79°
5. 86°
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

基本型クロソイド(対称型)の道路設計で、交角 I を求める計算問題。クロソイド始点・終点・円曲線部分が対称に並ぶ構造である。

① クロソイド曲線長 L を求める

クロソイドの定義式:A² = R × L(A:クロソイドパラメータ、R:円曲線半径、L:クロソイド長)

L = A² / R = 120² / 200 = 14,400 / 200 = 72 m
② 接線角 τ(タウ)を計算

クロソイド始点から終点に至るまでに、接線方向が直線方向から振れる角度 τ:

τ = L / (2R) = 72 / (2 × 200) = 0.18 rad

度数換算(× 180/π):

τ = 0.18 × (180 / 3.142) ≒ 10.31°
③ 対称型の交角 I

対称型クロソイドでは、両側のクロソイド接線角と円曲線部分の中心角が交角 I に集約される:

I = θ + 2τ(θ:円曲線部分の中心角)

θ = 45° を代入:

I = 45° + 2 × 10.31° = 45° + 20.62° = 65.62° ≒ 66°
よって、最も近いのは 選択肢 2(66°)。公式「A²=RL」「τ=L/(2R)」「I=θ+2τ」を覚える。
クロソイド曲線(対称型)の交角τ≈10.3°θ=45°τ≈10.3°直線直線ττ交角 I = θ + 2τ = 45° + 2×10.31° = 65.62° ≒ 66°τ=L/(2R)=72/(2×200)=0.18rad, A²=R×L: 120²=200×72✓
💡 クロソイドの公式: A二乗=R×L。接線角τ=L/(2R)。対称型の交角 I = 円弧の中心角θ + 2×接線角τ。
第26問 📐 応用測量(用地)
📋 問題文

次の 1 ~ 5 の文は,公共測量における用地測量について述べたものである。明らかに間違っ ているものはどれか。次の 1 ~ 5の中から選べ。

1. 公図等転写連続図の作成において,隣接する公図間で字界の線形に相違がある場合も,接合 部を合致させるための調整はせず,公図に記載されている字界をそのまま転写する。
2. 復元測量において,復元すべき位置に仮杭を設置する場合は,関係権利者への事前説明を実 施する。この場合,原則として関係権利者による立会いは行わない。
3. ネットワーク型 RTK 法による境界測量では,1セット目の観測終了後に再初期化を行い,2 セット目の観測を行う。境界点の座標値は両セットの観測から求めた平均値とする。
4. 用地境界仮杭設置において,視通が確保できる場合,視通法により道路計画中心線と境界線 の交点に用地境界仮杭を設置することができる。
5. 面積計算では,境界測量の成果に基づき,各筆等の取得用地及び残地の面積を算出し面積計 算書を作成する。この計算は,原則として座標法により行う。
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

用地測量における権利者調査・境界確認・面積計算等の手順に関する正誤判定。

1. 正しい。用地測量に先立って、登記簿・公図・地積測量図等を入手し、現況と照合する事前調査を行う。
2. 正しい。権利者へ事前説明を行い、境界立会いの日程・場所を周知する。
3. 正しい。境界立会いには関係する全権利者の参加を求める。
4. 誤り。

境界点間の距離測定は、直接測定が原則。問題文の方法では精度が確保できない場面が生じる。境界の確定には正確な実測が不可欠。

5. 正しい。確定した境界に基づいて座標法により面積を計算する(座標法は誤差が小さい)。
誤りは4。選択肢 4
💡 用地境界仮杭の視通法: 対象は「幅杭線×境界線の交点」。道路中心線は基準にならない。
第27問 📋 測量基礎
📋 問題文

境界点 A,B,C,D で囲まれた四角形の土地の面積を求めたい。 境界点 B は直接観測ができ ないため,補助基準点Pを設置し,点 A,P,C,D をトータルステーションを用いて測量し,表27 に示す平面直角座標系 (平成14年国土交通省告示第9号) における座標値を得た。境界点 A,B, C,D で囲まれた四角形の土地の面積は幾らか。 最も近いものを次の 1 ~ 5 の中から選べ。

1. 787.200 ㎡
2. 814.600 ㎡
3. 823.800 ㎡
4. 851.250 ㎡
5. 953.700 ㎡
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

図 27 の4 点(A, B, C, D)で囲まれた土地の面積を、平面直角座標から座標法(シューレース公式)で求める問題。

① 座標法の公式
2S = |Σ x_i × (y_(i+1) − y_(i−1))|

または等価な形:2S = |Σ (x_i × y_(i+1) − x_(i+1) × y_i)|

② 各点の座標を整理

図27 と表27 に示された A、B、C、D の (X, Y) 座標を順に並べる。

③ 公式に代入して 2S を計算

順番に各項を計算し、絶対値を取って 2S を求める。

④ 面積 S = 2S / 2

計算結果として、最も近い選択肢の値となる。

計算結果は 選択肢 3 の値に最も近い。座標法は誤差の少ない面積計算法で、4点以上の多角形でも適用できる。
座標法(ガウス公式)で面積計算ADCB(未観測)P方位角240°距離10mP→B: ΔX=10·cos240°=−5.0, ΔY=10·sin240°=−8.66→ B 座標から座標法で面積 ≒ 823.8 m²
💡 方向角の三角関数: ΔX=S×cos(方向角), ΔY=S×sin(方向角)(北が0度で時計回り)。
第28問 📐 応用測量(河川)
📋 問題文

次の a ~ d の文は,公共測量における河川測量について述べたものである。 ア ~ 才オ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。 次の 1 ~ 5 の中から選べ。

a. 定期 ア 測量では,水部と陸部で異なる測量を行う。水部の測量は,深浅測量を水際杭 と水際杭の間で行う。陸部の測量範囲は,水際杭から, イ 20 ~ 50m までを標準とす る。
b. 法線測量とは,計画資料に基づき,河川又は海岸において,築造物の新設又は改修等を行う 場合に現地の法線上に杭を設置し線形図データファイルを作成する作業をいう。法線測量 は,路線測量の ウウ の規定を準用する。
c. 海浜測量は,海岸線に沿って陸部に基準線を設け,適切な間隔に測点を設置し,測点ごとに 基準線に対し, エ の方向に横断測量を実施する。海浜測量の基準線の測量は, 路線測 量の ウ の規定を準用する。
d. 汀線測量とは, オ 水面と海浜との交線 (汀線) を定め,汀線図データファイルを作成 す作業をいう。 ア イ ウ エ オ 1. 縦断 堤内 横断測量 直角 最高 2. 横断 堤内 中心線測量 直角 最低 3. 縦断 堤外 中心線測量 接線 平均 4. 横断 堤内 横断測量 直角 最高 5. 線形 堤外 中心線測量 接線 最低
📑 元問題ページ元問題
💡 解説

河川測量の主要項目(定期横断・法線測量・海浜測量・汀線測量)の用語を当てはめる穴埋め問題。各語句を作業規程の準則と照合する。

ア = 横断

水部と陸部に分けて行う測量は定期横断測量。水部は深浅測量、陸部は横断方向に地形を測る。「縦断」「線形」では水部・陸部を横切る測量にならない。

イ = 堤内

陸部の測量範囲は、水際杭から堤内側に 20〜50 m まで(堤防の安全側)。「堤外」は河川側であり測量範囲ではない。

ウ = 中心線測量

法線測量は路線測量の中心線測量の規定を準用する。海浜測量の基準線測量も同様に中心線測量の準用。「横断測量」では線形を取り扱えない。

エ = 直角

海浜測量では、基準線に対し直角方向に横断測量を実施する。海岸線に直交する形で地形断面を取るため。「接線」では海岸沿いになってしまう。

オ = 最低

汀線(ていせん)は「最低水面と海浜との交線」と定義される。潮位が最も低い時の水際線で、海岸線の基準として用いる。「最高」「平均」は使わない。

ア=横断、イ=堤内、ウ=中心線測量、エ=直角、オ=最低 の組合せ = 選択肢 2
💡 計算問題の鉄則: 単位を最初に揃える。式を書いてから数値を代入。途中結果を保持して最後に丸める。
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出典:国土地理院「測量士・測量士補試験の試験問題及び解答例」を加工して掲載(政府標準利用規約準拠)