次のa ~ e の文は,地図投影について述べたものである。明らかに間違っているものを全て 含み,正しいものを含まない組合せはどれか。 次の1 ~ 5の中から選べ。

地図投影法(正角・正積・正距の関係、平面直角座標系、UTM座標系)に関する正誤判定。a〜eの全選択肢を検証する。
「正角」と「正積」を同時に満たす平面地図投影は理論上存在しない。
理由はこうである。正角とは各点で角度が正しく保たれること、言いかえれば局所的に形が相似になることを意味する。相似ということは、その点のまわりで縦も横も同じ比率で伸縮しているということである。そこへ正積(面積が正しい)という条件を重ねると、面積比が 1 になるためには伸縮率そのものが 1 でなければならない。つまり両方を同時に満たす写像は、局所的に長さまで保つ等長写像ということになる。
ところが等長写像はガウス曲率を変えない(ガウスの驚異の定理)。球面のガウス曲率は正、平面は 0 で一致しないため、球面を平面へ等長に写すことはできない。したがって正角と正積は、地球全体はもちろん、どんなに小さな領域をとっても両立しない。
地球(球面)上の全地点間の距離を、単一縮尺で一つの平面地図に正確に表示することは理論上不可能。正距図法でも、特定の点や特定方向に限り距離が正しく保たれるだけ。
日本の平面直角座標系では X軸が北方向、Y軸が東方向を正とする(平成14年国土交通省告示第9号)。原点より南かつ西に位置する地点では、X座標(南北方向)も Y座標(東西方向)も ともに負になる。「ともに正」は誤り。
UTM 座標系の経度幅は 6°ごとのゾーン分割(全60ゾーン)が正しい。「10°ごと」は誤り。
縮尺係数の比較:
・UTM 座標系:中央経線で縮尺係数 = 0.9996(<1)、中央経線から東西約 180 km離れた地点で 1 になる。
・平面直角座標系:X軸上で縮尺係数 = 0.9999(<1)、X軸から東西約 90 km離れた地点で 1 になる。
「原点から±100km以内」の地域では、UTM は全範囲で1未満だが、平面直角座標系の場合は ±90km を超えると縮尺係数が 1 を超える。よって「どちらも縮尺係数が 1 未満」は誤り。