次の 1 ~ 5 の文は,防災分野における GIS 及び地理空間情報の活用方法について述べたもの である。明らかに間違っているものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。

防災分野における GIS と地理空間情報の活用に関する正誤判定。
判断の鍵は DSM と DEM の違いにある。DSM(数値表層モデル)は樹木や建物まで含んだ「見えている表面」の高さ、DEM(数値標高モデル)はそれらを取り除いた「地面そのもの」の高さを表す。種類の違うモデルどうしを引き算しても、その差は地形の変化を意味しない——ここが本問の急所である。
浸水シミュレーションの結果や発災後の被害分布を GIS 上で可視化すれば、どこにどれだけ被害が及ぶかを地図として共有できる。防災計画や復興計画を検討する際の判断材料として有効である。記述のとおり。
道路をネットワークとして表現したデータがあれば、GIS のネットワーク解析で 2 地点間の最短経路を探索できる。避難経路の検討や、通行止め区間を除外した迂回路の検討に活用できる。記述のとおり。
DEM は地表面の標高を格子状に持つデータなので、「浸水した水面の高さ」が写真などから分かれば、その高さより低い格子を塗りつぶすことでおおよその浸水域を推定できる。記述のとおり。
誤りは 2 か所ある。
第一に、比べているモデルの種類が違う。発災前が DSM(樹木・建物を含む表面)、発災直後が DEM(地面のみ)では、その差分には「崩れた土砂の量」だけでなく「もともと生えていた樹木の高さ」まで含まれてしまう。土砂量を出したいなら、発災前後とも同じ種類のモデル(DEM どうし)で比較しなければならない。
第二に、差分に面積を掛けるという計算が成り立たない。崩壊した斜面の高さの変化は場所ごとに違い、深く削れた所も浅い所もある。ある代表値に崩壊範囲の面積を一律に掛けても、それは平均的な見積りにしかならない。体積を正しく出すには格子ごとの高さの差に格子面積を掛けて積算する必要がある。
以上より「正確に求めることができる」とするこの記述は誤り。
隆起によって海だった場所が陸地になった場合、隆起前の海岸線と隆起後の海岸線の 2 本の線で囲まれる領域が、新たに陸化した範囲にあたる。GIS でその面積を計算できる。記述のとおり。