次の a ~ e の文は,公共測量における GNSS 測量機を用いた基準点測量について述べたものである。明らかに間違っているものだけを全て含む組合せはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
a.GNSS 観測において,準天頂衛星は GPS 衛星と同等の衛星として扱うことができる。
b.スタティック法による観測距離が 10 km 以上の観測において,GPS 衛星及び準天頂衛星に加え,GLONASS 衛星も用いる場合は,これらの衛星を 5 衛星以上使用する。
c.対流圏における電波の伝搬遅延に起因する誤差は,2 周波の観測により軽減することができる。
d.GNSS 観測における基線解析では,GNSS 衛星の軌道情報は放送暦を標準とする。
e.アンテナ位相特性が異なるアンテナ間の GNSS 測量では,PCV 補正を適用することにより異機種間観測での精度が向上する。
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解説
💡 2 周波で消せるのは電離層遅延(対流圏ではない)。スタティック 10 km 以上は GPS・QZSS 5 衛星以上、GLONASS 併用なら 6 衛星以上。
GNSS 基準点測量の観測条件(衛星数)と基線解析の設定(軌道情報、周波数、PCV)を問う。c は「2 周波で何が消えるのか」という原理の理解を試す記述で、ここを落とす人が多い。
a. 正しい。
準則では準天頂衛星(QZSS)を GPS 衛星と同等に扱い、「GPS・準天頂衛星」とまとめて表記する。衛星数の数え方でも両者を合算してよい。
b. 誤り。
スタティック法で観測距離が 10 km 以上のときは、GPS・準天頂衛星だけなら 5 衛星以上、GLONASS 衛星を加えるなら 6 衛星以上が必要(準則第37条の表の備考)。GLONASS を混ぜると衛星系ごとの時計のずれを未知数として余分に解く必要があり、衛星が 1 つ多く要る。「5 衛星以上」は誤り。
c. 誤り。
2 周波観測で軽減できるのは電離層の遅延。電離層遅延は周波数によって大きさが変わる(分散性)ので、2 つの周波数の観測値を組み合わせて消去できる。一方、対流圏の遅延は周波数に依存しない(非分散性)ため、2 周波にしても消えない。対流圏遅延は気象モデル(標準大気)による補正で扱う。記述は電離層と対流圏を取り違えている。
d. 正しい。
基線解析に用いる衛星の軌道情報は放送暦を標準とする(準則第41条)。
e. 正しい。
アンテナの位相特性(PCV)は機種ごとに異なるため、異機種を組み合わせたときは PCV 補正を適用しないと高さ方向に系統誤差が残る。補正を行えば精度が上がる、という記述は正しい。
誤りは b と c。よって 選択肢 3(b, c)。