測量士・測量士補 過去問ドリル

測量士試験 令和8年度 午前 第7問〔基準点測量〕解答と解説

令和8年度 第7問📍 基準点測量

公共測量におけるトータルステーションを用いた 1 級基準点測量において,図 7 に示すように,点 A,点 B 間の斜距離及び高低角の観測を行い,観測結果を得た。点 A,点 B 間の基準面上の距離を示す数式として最も適当なものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
ただし,数式中の記号が示すものは表 7 のとおりとし,点 A 及び点 B における器械高,目標高及び反射鏡高は,図 7 のとおりそれぞれ同じとする。

表 7
記号が示すもの記号
点 A の標高HA
点 B の標高HB
点 A と点 B の間の斜距離D
点 A から点 B 方向の高低角αA(ただし,αA > 0)
点 B から点 A 方向の高低角αB(ただし,αB < 0)
点 A,点 B における器械高iA,iB
点 A,点 B における目標高及び反射鏡高fA,fB
地球の平均曲率半径R
点 A,点 B のジオイド高を平均した値N
第7問の図表
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解説

💡 両端観測の高低角は符号が逆なので、大きさの平均は (αA − αB)/2。基準面への縮小は R/(R + 平均楕円体高)、平均楕円体高 = 平均標高 + 器械高 + ジオイド高。

斜距離を基準面(楕円体面)上の距離に直す手順は 2 段階。①高低角で水平距離にする、②平均の楕円体高を使って基準面に投影する。選択肢はこの 2 か所の「+ か − か」を入れ替えたものなので、それぞれ理由を持って決める。

① 水平距離:高低角の符号に注意

A から B を見た高低角 αA は上向きなので正、B から A を見た αB は下向きなので負(表 7 の条件)。両端で観測した高低角を平均して使うが、符号が逆なので、角の大きさの平均は (αA − αB) / 2 になる。たとえば αA = +2°、αB = −2° なら (2 − (−2)) / 2 = 2° で、確かに大きさの平均になっている。もし (αA + αB) / 2 とすると 0° になってしまい、水平距離が斜距離と同じになる。よって選択肢 1・2 は除外。

水平距離 = D cos{(αA − αB) / 2}
② 基準面への投影:平均楕円体高は「足して 2 で割る」

観測した視線の高さは、器械の高さぶんを含めて HA + iA、HB + iB(標高)。その平均に、ジオイド高の平均 N を加えると視線の平均楕円体高になる。地球の曲率半径 R に対して、半径 R +(楕円体高)の高さにある長さを半径 R の面に縮小するので、

基準面上の距離 = 水平距離 × R ÷ [ R + {(HA + iA) + (HB + iB)} / 2 + N ]

分母の標高は 2 点の和の半分(平均)であって差ではないので、選択肢 4 は除外。選択肢 5 の相乗平均(√ の形)はそもそも使わない。

よって 選択肢 3。

※ 準則第40条が「基準面上の距離の計算は楕円体高を用いる」としているのが分母に N が入る理由。標高(H)だけでは楕円体面からの高さにならない。