測量士・測量士補 過去問ドリル

測量士試験 令和8年度 午前 第4問〔法規〕解答と解説

令和8年度 第4問⚖️ 法規

次の a ~ e の文は,公共測量における測量作業機関の対応について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。

a.測量作業の現場に社用車で向かうに当たり,運転者の状態の目視確認やアルコール検知器による検査により,出発前に運転者が酒気を帯びていないことを確認した上で現場に向かった。その日の運転終了時にも出発前と同様の確認を行った。
b.市街地で GNSS 観測をすることになったが,私有地にある樹木が支障になり観測ができなかった。事前にその土地の占有者に連絡がつかなかったため,作業員がその場で判断して観測の支障になる樹木を伐採し,後日その土地の占有者に連絡した。
c.UAV レーザ測量において,作業前の機体点検に異常が無かったにもかかわらず,飛行中に機体が突然制御不能となり墜落した。物的及び人的被害はなかったが,航空法(昭和 27 年法律第 231 号)に基づき事態の詳細を国土交通大臣へ速やかに報告した。
d.基準点測量の現地調査において,私有の土地への立入りが必要となることから,土地の占有者への事前の通知と測量計画機関が発行する身分証明書の携帯を作業員に指示した。
e.屋外での測量作業中の地域に大雨特別警報が発表されたが,事前にハザードマップにより浸水が想定される地域ではないことを確認できていたことから作業を継続した。
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解説

💡 障害物の除去は所有者・占有者の承諾が先。特別警報が出たら作業は中断。立入りは事前通知と身分証明書の携帯。

現場での安全管理と、測量法が定める立入り・障害物除去の手続きを題材にした、実務寄りの正誤判定。法令の条文というより「やってよいこと・いけないこと」の常識で判断できる記述が多い。

a. 正しい。

社用車で現場へ向かう前にアルコール検知器と目視で酒気帯びを確認し、運転終了時にも同じ確認をするのは、道路交通法令に基づく安全運転管理者の義務そのもの。問題のない対応。

b. 誤り。

測量のために障害となる樹木を伐採するには、所有者または占有者の承諾が要る(測量法第16条。公共測量には測量法第39条で準用)。連絡がつかないからといって作業員の判断で先に伐採し、後から連絡するのは手順が逆。承諾が得られるまで待つか、別の観測方法を検討する。

c. 正しい。

UAV が制御不能になって墜落した場合、人や物に被害がなくても航空法に基づく事故等の報告の対象になる。国土交通大臣へ速やかに報告するのは正しい対応。

d. 正しい。

私有地に立ち入るときは、あらかじめ占有者に通知し(測量法第15条)、身分を示す証明書を携帯する(測量法第15条第3項)。公共測量では計画機関が発行する身分証明書を携帯する。作業員への指示として適切。

e. 誤り。

大雨特別警報は「命を守る行動を」という最大級の警戒を呼びかける情報で、浸水想定区域の外かどうかで判断するものではない。ハザードマップは浸水の目安にすぎず、土砂災害や増水は想定外の場所でも起こる。作業を中断して安全を確保するのが正しい。

誤りは b と e。よって 選択肢 4(b, e)。