次の a ~ e の文は,数値地形モデル(以下「DTM」という。)の活用について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
a.DTM を用いて段彩図を作成する際,同じ色で表現する標高値の範囲を狭く設定することにより,地形の微細な起伏を表すことができる。
b.DTM と基盤地図情報の建築物の外周線データを用いて,地表面からの高さが 10 m 以上の建築物を抽出することができる。
c.DTM から傾斜の急な地域を抽出し,土砂災害などの危険箇所の推定に活用することができる。
d.同じグラウンドデータから DTM を作成する場合,格子間隔を大きくする方が,地形をより詳細に表現することができる。
e.中心投影の数値写真から正射投影画像を作成する際,DTM を用いることにより土地の起伏に起因するひずみを取り除くことができる。
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解説
💡 DTM は地表面だけ(建物の高さは DSM が要る)。格子間隔は小さいほど詳細。
DTM(地表面の標高モデル)で何ができて何ができないかを問う。DTM と DSM(建物や樹木の上面を含む表層モデル)の違いが分かっていれば b が、格子間隔と表現の細かさの関係が分かっていれば d が判定できる。
a. 正しい。
段彩図は標高の範囲ごとに色を塗り分けた図。1 色に割り当てる標高の幅を狭くすれば、小さな起伏の違いも色の違いとして現れる。
b. 誤り。
DTM は地表面の標高しか持たないので、建物の屋根の高さは分からない。基盤地図情報の建物外周線は建物の平面位置を表すだけで高さの情報はない。「地表面からの高さ 10 m 以上の建物」を抽出するには、建物の上面高さを持つ DSM(またはその差分の DHM)が必要。
c. 正しい。
DTM から傾斜を計算し、急傾斜地を抽出すれば、土砂災害の危険箇所を推定する基礎資料になる。
d. 誤り。
同じグラウンドデータ(地表面の点群)から DTM を作るなら、格子間隔を小さくするほど細かな地形を表現できる。格子間隔を大きくすると 1 格子の中の起伏が平均されてつぶれる。記述は逆。
e. 正しい。
中心投影の写真では、高い所ほど外側に倒れ込んで写る(起伏による像のずれ)。DTM で各画素の地表の高さが分かれば、そのずれを戻して正射投影画像を作れる。これが正射変換。
誤りは b と d。よって 選択肢 3(b, d)。