次の a ~ e の文は,公共測量における写真地図作成について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
a.峡谷をまたがる道路の高架橋部分で写真地図にひずみが生じた場合,ブレークライン法により取得した橋桁直下の地形の標高を用いて高架橋部分の正射変換をすれば,ひずみを修正できる。
b.数値地形モデルの作成において,河川及び小規模な湖沼などの陸水面には,標高値にマイナス 9999 メートルなどの現実に存在しない値を与える。
c.写真地図を作成するに当たり,既存の数値地形モデルを用いる場合,データ品質,経年変化などについての点検を行う必要がある。
d.地上画素寸法 8 cm の数値写真を用いて,地上画素寸法 10 cm の写真地図を作成することができる。
e.数値地形モデルファイルの点検は,デジタルステレオ図化機などを用いて計測された標高点と数値地形モデルファイルから抽出された標高点とを比較することにより行う。
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解説
💡 高架橋のひずみは橋の縁(路面)の標高で直す。−9999 を与えるのは大規模湖沼・海水面だけ。写真地図の画素は写真より粗い方向にしかできない。
写真地図(オルソ画像)を作る過程の、数値地形モデル(DTM)の扱いに関する正誤判定。a と b は「正しそうな専門用語」を使って誤った内容を述べているので、処理の目的から考える。
a. 誤り。
正射変換は「その画素が地表のどの高さにあるか」を使って中心投影のずれを戻す処理。高架橋の路面は橋桁の下の地形より高い位置にあるので、橋桁直下の地形の標高で変換すると路面の画素は間違った高さで投影され、ひずみは直らない。準則第316条でブレークライン法の対象に「高架橋及び立体交差の両縁」が挙げられているのは、橋そのものの縁の標高を取るためである。
b. 誤り。
−9999 m のような実在しない標高値を与えるのは、大規模な湖沼水面と海水面(準則第317条)。河川や小規模な湖沼などの陸水面は地表面として扱い、周辺の標高から内挿した値を与える。小さな水面まで欠損値にすると、その部分の正射変換ができなくなってしまう。
c. 正しい。
既存の DTM を流用する場合は、その品質と、作成後に地形が変わっていないか(経年変化)を点検する必要がある。古い DTM で新しい写真を変換すると、造成地などでひずみが出る。
d. 正しい。
写真地図の地上画素寸法は、元の数値写真の地上画素寸法と同じかそれより粗くする。8 cm の写真から 10 cm の写真地図を作るのは、細かい画像を粗くまとめる方向なので問題ない。逆(10 cm の写真から 8 cm の写真地図)はできない。
e. 正しい。
DTM ファイルの点検は、無作為に抽出した標高点について、デジタルステレオ図化機などで計測した標高と比較して行う(準則第320条)。
誤りは a と b。よって 選択肢 1(a, b)。