次のa~eの文は,水準測量における誤差などについて述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a.1級水準測量では,標尺目盛を後視,前視,前視,後視の順に読定することにより,三脚の沈下による誤差を小さくすることができる。
b.観測中,日傘や覆いを用いてレベルへの直射日光を避けるのは,熱膨張による影響を避けるためである。
c.鉛直軸誤差は,望違鏡の鉛直軸が傾いているために生じる誤差である。この誤差は,三脚の特定の1本を常に同一の標尺に向けて整置し,観測することで小さくすることができる。
d.標尺の誤差として零点誤差と標尺目盛誤差がある。零点誤差は往観測と復観測で標尺を入れ替えることにより小さくすることができ,標尺目盛誤差は,観測点数を偶数にすることにより小さくすることができる。
e.1 級水準測量における標高値の補正計算では,正標高補正計算に代えて実測の重力値を用いた正規正標高補正計算を用いることができる。
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解説
💡 測点数を偶数にして消すのは零点誤差。目盛誤差は標尺補正で補正。1級は正規正標高補正の代わりに実測重力値による正標高補正を使える。
レベルと標尺による水準測量の誤差と、その消し方の組合せを問う問題。どの誤差を観測の手順で消し、どの誤差を計算で補正するかを整理する。
a. 正しい。
後視 → 前視 → 前視 → 後視と時間的に対称な順に読むと、その間に三脚や標尺がほぼ一定の速さで沈んでも、往きと戻りの読みで影響が打ち消し合う。準則第64条の 1 級水準測量の読定順序もこの形。
b. 正しい。
直射日光でレベルの一部だけが温まると、各部が不均一に膨張して視準線や気泡管の向きが狂う。日傘や覆いはこれを防ぐため。
c. 正しい。
鉛直軸誤差の説明も、その軽減のために三脚の特定の 1 本をいつも同じ標尺に向けて据えるという方法も正しい。器械の据え方を毎回そろえることで、誤差の出方を規則的にして小さくする、精密な水準測量で標準的に行われる手順。(「望違鏡」は原文の表記のまま。望遠鏡のこと。)
d. 誤り。
標尺目盛誤差は、測点数を偶数にしても消えない。目盛の伸び縮みは高低差に比例して効くので、標尺改正数を使った標尺補正計算で補正する(準則第67条)。測点数を偶数にするのは零点誤差を消すための手順で(準則第64条)、出発点と到着点に同じ標尺が立つことで2本の標尺の零点のずれが打ち消し合う。記述は後半の対応を取り違えている。
e. 誤り。
準則第67条第1項第一号では、1・2 級水準測量で正規正標高補正計算(楕円補正)を行うのが標準で、1 級では代わりに実測の重力値による正標高補正計算を用いることができる。記述は二つの補正の名前が逆。
誤りは d・e。よって 選択肢 5(d, e)。