測量士・測量士補 過去問ドリル

測量士試験 平成30年度 午前 第11問〔水準測量〕解答と解説

平成30年度 第11問📏 水準測量

次の文は,公共測量におけるGNSS 測量機を用いた標高の測量(以下「GNSS 水準測量」という。)について述べたものである。[ア] ~ [エ] に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。
GNSS 水準測量では,高精度な [ア] を用いることにより,近傍に水準点がない場合でも3級水準点が設置できる。
GNSS 水準測量を実施する場合は,既知点は一,二等水準点, [イ] で標高が取り付けられた電子基準点又は1,2級水準点を使用する。観測は,平均図などに基づき [ウ] により観測を行う。なお,電波の [エ] は標高に大きく影響する場合があることから,作業地域の気象条件には十分注意する必要がある。

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⚠ 規則の改正あり(今の規則では一部の記述が変わります)

解説

💡 楕円体高を標高にするのはジオイド・モデル。観測はスタティック法、注意すべきは大気遅延。今の準則では既知点は電子基準点(第75条)。

出題当時は別冊のマニュアル(GNSS 測量による標高の測量マニュアル)で定めていた「GNSS 水準測量」についての穴埋め。今はこの作業が作業規程の準則に「GNSS標高測量」(準則第74条以下)として取り込まれている。答えの組合せは変わらないが、既知点の種類の書き方は今の規則と違う。

ア:ジオイド・モデル

GNSS で直接わかるのは楕円体高で、標高にするにはジオイド高を差し引く必要がある。精度の高いジオイド・モデルが整ったことで、近くに水準点が無くても GNSS で 3 級水準点の標高を決められるようになった(準則第74条でも、GNSS標高測量は 3 級水準測量に区分される)。重力モデルは当てはまらない。

イ:水準測量

出題当時のマニュアルでは、電子基準点のうち水準測量で標高が取り付けられたものを、一・二等水準点や 1・2 級水準点と並べて既知点に使えるとしていた。今の規則では、GNSS標高測量の既知点は電子基準点とされている(準則第75条)ので、水準点を既知点に挙げたこの文の書き方は今の規則には当てはまらない。出題当時の規定で答えると「水準測量」。

ウ:スタティック法

標高を cm 級で決めるには、長い時間据え置いて観測するスタティック法が必要。今の規則でも観測はスタティック法で、観測時間は 5 時間以上(準則第89条第2項)。ネットワーク型 RTK 法やキネマティック法では精度が足りない。

エ:大気遅延

対流圏の水蒸気などによる電波の遅れ(大気遅延)は、高さの成分に特に大きく効く。電離層遅延は 2 周波の観測で大部分を取り除けるが、大気遅延は気象の急変時に補正しきれない。今の規則でも、前線の接近・通過時など大気遅延の影響が大きいと予想されるときは観測しない(準則第89条第2項第三号)。

ア ジオイド・モデル・イ 水準測量・ウ スタティック法・エ 大気遅延。よって 選択肢 5。