次の a ~ e の文は,国際地球基準座標系(以下「ITRF」という。)と我が国の位置の基準について述べたものである。明らかに間違っているものだけを全て含む組合せはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
a.我が国の測地系である JGD2024 は,ITRF に基づいている。
b.測量法(昭和 24 年法律第 188 号)において測量の基準として規定する回転楕円体は,WGS84 である。
c.北海道と九州の位置を ITRF で表すと,Y 座標の値は北海道の方が大きい。
d.我が国の位置を ITRF で表すと,X 座標の符号は正である。
e.ITRF の X,Y 及び Z の座標値が全て 0 になる点は,地球の重心である。
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解説
💡 ITRF の軸は X=グリニッジ方向、Y=東経90°方向、Z=北極方向。日本では X が負、Y は緯度が低い(南の)地点ほど大きい。法令上の楕円体は GRS80。
ITRF は地球の重心を原点とする三次元直交座標系(地心直交座標系)で、X 軸がグリニッジ子午線方向、Y 軸が東経 90° 方向、Z 軸が自転軸(北極)方向を向く。この軸の向きを頭に置いて、日本の位置を当てはめていけば c・d は自力で判定できる。
a. 正しい。
2025 年 4 月に移行した日本の測地系 JGD2024 は ITRF(ITRF2014)に基づく。従来の JGD2011 も ITRF 系であり、「日本の測地系は ITRF に基づく」という点は変わらない。
b. 誤り。
測量法第11条が測量の基準として定める回転楕円体は GRS80(測量法施行令で諸元を規定)。WGS84 は米国の GPS が用いる測地系の楕円体で、GRS80 と寸法はほぼ同じだが、法令上の基準ではない。
c. 誤り。
Y 座標は東経 90° 方向の成分で、緯度 φ・経度 λ・高さ h の点では Y = (N+h) cos φ sin λ となる。北海道(φ ≒ 43°、λ ≒ 143°)と九州(φ ≒ 33°、λ ≒ 131°)で比べると、cos φ は九州の方が大きく、sin λ も 90° から遠い北海道の方が小さい。つまり Y 座標は九州の方が大きい。記述は逆。
d. 誤り。
X 座標は X = (N+h) cos φ cos λ。日本の経度は東経 120°~ 155° 付近で cos λ が負になるため、X 座標の符号は負。記述の「正」は誤り。
e. 正しい。
ITRF の原点は地球の重心(質量中心)。X・Y・Z がすべて 0 になる点はそこである。
誤りは b・c・d の 3 つ。よって 選択肢 4(b, c, d)。