次のa~eの文は,人工衛星からのリモートセンシングについて述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a.合成開口レーダ(SAR)は,マイクロ波を対象物に照射し,対象物からの反射波を観測するため,夜間も観測することができる。
b.熱赤外線リモートセンシングは,対象物からの熱放射を観測するため,夜間も観測することができる。
c.リモートセンシングで一般的に扱われる電磁波の波長域には,波長の長い順に可視光域,赤外域,マイクロ波域などがある。
d.地上画素寸法の小さいグレースケール画像と地上画素寸法の大きいカラー画像を用いて,グレースケール画像と同じ地上画素寸法で判読性の向上したカラー画像を生成することができる。
e.光学センサで広く採用されているプッシュブルーム走査方式のラインセンサでは,人工衛星の進行とともに帯状に画像を取得しており,その画像は正射投影画像である。
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解説
💡 波長はマイクロ波>赤外>可視の順。プッシュブルーム方式の画像はラインごとの中心投影で、正射投影ではない。
衛星リモートセンシングのセンサの性質を問う問題。太陽光の反射を見るのか、自分で出した電波や対象自身の放射を見るのかで、夜間に観測できるかが決まる。
a. 正しい。
SAR は自らマイクロ波を発射してその反射を受ける能動型のセンサ。太陽光が要らないので夜でも観測でき、雲も透過する。
b. 正しい。
物体は温度に応じた熱赤外線を自ら放射している。それを測るので、太陽光の無い夜間でも観測できる(雲は透過しない)。
c. 誤り。
順序が逆。波長はマイクロ波(mm〜m)> 赤外(約 0.7 μm〜1 mm)> 可視光(約 0.4〜0.7 μm)。可視光が最も短い。
d. 正しい。
パンシャープンと呼ばれる処理。細かいグレースケール(パンクロマティック)画像の明るさの情報と、粗いカラー(マルチスペクトル)画像の色の情報を合成して、細かいカラー画像を作る。
e. 誤り。
プッシュブルーム方式は、進行方向と直角に並んだ検出素子の列で 1 ラインずつ撮像し、衛星の移動で帯状の画像にする。各ラインは中心投影なので、起伏や高い建物は直下点から外側に倒れ込んで写る。そのままでは正射投影画像ではなく、標高データを使ったオルソ補正が必要。
誤りは c・e。よって 選択肢 5(c, e)。