図 13 に模式的に示すように,水準点 A ~ D において,公共測量における 2 級水準測量を実施 し,表 13 の観測結果を得た。環閉合差の許容範囲を 5mm√S (S は観測距離,km 単位)としたとき, 再測すべき路線として最も適当なものはどれか。 次の 1 ~ 5 の中から選べ。

6 つの路線からなる水準網で、閉合差が許容範囲を超えた環を洗い出し、それらに共通して含まれる路線を再測対象として特定する問題。
考え方の芯はこうである。ある 1 本の路線に誤差があると、その路線を通る環はすべて閉合差が悪化する。逆に、その路線を通らない環は正常なままである。したがって「超過した環すべてに共通し、正常な環には含まれない路線」が犯人だと絞り込める。
図 13 の矢印が観測の向きを表している。環を一周するとき、矢印と逆向きに進む路線は符号を反転させて足す必要があるので、ここを最初に押さえる。
B が中心にあり、A・C・D が外周に並ぶ形なので、三角環が 3 つと外周の環が 1 つ、計 4 つの環がとれる。
環 ABC[(1)(4)(6)]C→A→B→C と一周する。B→C は (6) と逆向きなので符号を反転。
閉合差 = +3.429 −2.513 −0.925 = −0.009 m = −9 mm / S = 2.00+1.00+1.00 = 4.00 km、許容 = 5√4 = 10 mm → 範囲内
環 ABD[(4)(5)(2)]A→B→D→A と一周する。D→A は (2) と逆向きなので符号を反転。
閉合差 = −2.513 +1.362 +1.176 = +0.025 m = +25 mm / S = 1.00+1.00+2.00 = 4.00 km、許容 = 10 mm → 許容超過
環 BCD[(6)(5)(3)]C→B→D→C と一周する。
閉合差 = +0.925 +1.362 −2.257 = +0.030 m = +30 mm / S = 1.00+1.00+2.00 = 4.00 km、許容 = 10 mm → 許容超過
外周環[(1)(2)(3)]C→A→D→C と一周する。
閉合差 = +3.429 −1.176 −2.257 = −0.004 m = −4 mm / S = 2.00×3 = 6.00 km、許容 = 5√6 ≒ 12.2 mm → 範囲内
許容を超えたのは 環 ABD[(4)(5)(2)]と 環 BCD[(6)(5)(3)]の 2 つ。この 2 つに共通して含まれる路線は (5) だけである。
裏づけとして、範囲内だった環 ABC[(1)(4)(6)]と外周環[(1)(2)(3)]は、いずれも (5) を含んでいない。「(5) を通る環はすべて超過し、通らない環はすべて正常」という形になっており、(5) に誤差があると考えて矛盾がない。