次の a ~ e の文は,公共測量における測量作業機関の対応について述べたものである。その対応として明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a.新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として,トータルステーションによる基準点測量の現地作業において,マスクを着用し,近い距離での大声の会話を避けて観測を行った。
b.基本測量成果を使用して行う基準点測量において,国土地理院のホームページで公開している基準点閲覧サービスから測量成果が閲覧できたため,それを印刷して既知点座標の数値として使用し作業を行った。
c.測量士補の資格を有していたため,測量士が立案した作業計画に従い,測量技術者として公共測量に従事した。
d.GNSS 観測で得られたデータで基線解析を実施したところ,観測データの後半で不具合がおき,計画していた観測時間よりも短い時間のデータしか解析ができなかった。それでも作業規程に規定された観測時間は満たしており,FIX 解が得られ,点検計算でも問題はなかったので,そのまま作業を続けた。
e.測量計画機関から貸与された空中写真を,別の測量計画機関から同じ地域の作業を受注した場合に活用できるかもしれないと考え,社内で複写して保管した。
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解説
💡 基本測量の成果を使うには国土地理院の長の承認(測量法第30条)。貸与資料はその業務だけに使い、無断で複写・流用しない。
現場での判断が、測量法の手続きや作業規程の考え方に合っているかを問う問題。「見られる・手元にある」ことと「使ってよい」ことの区別がポイント。
a. 正しい。
感染症対策としてマスクを着け、近くで大声を出さないのは妥当な対応で、観測の品質を損なうものでもない。
b. 誤り。
閲覧サービスで成果を見られることと、その成果を測量に使ってよいことは別である。基本測量の測量成果を使って基本測量以外の測量を行う者は、あらかじめ国土地理院の長の承認を得なければならない(測量法第30条)。その手続きを経ずに、画面を印刷した値をそのまま既知点の座標として使うのは不適切。
c. 正しい。
測量士補は、測量士の作製した計画に従って測量に従事する(測量法第48条第3項)。登録を受けた測量士補であれば、技術者として公共測量に従事できる(同条第1項)。
d. 正しい。
予定より解析に使えたデータが短くても、規程上の観測時間は確保できており、解析で FIX 解が出て、点検計算の結果も許容範囲に入っているなら、成果の品質は確保されている。作業を続けてよい。
e. 誤り。
計画機関から借りた資料は、その業務のためだけに使い、作業が終われば返すものである。別の発注者の仕事に使うつもりで勝手に複写して残すのは目的外の使用にあたる。貸与された写真が公共測量の成果であれば、測量に使うための複製には、その成果を得た測量計画機関の承認も必要になる(測量法第43条)。
明らかに間違っているのは b と e。よって 選択肢 3。