測量士・測量士補 過去問ドリル

測量士補試験 令和8年度 第12問〔水準測量〕解答と解説

令和8年度 第12問📏 水準測量

図12は,水準点 A から固定点(1),(2)及び(3)を経由し,水準点 B に至る路線を模式的に示したものである。この路線で公共測量における1級水準測量を行い,表12に示す観測結果を得た。再測すべき観測区間として最も適切なものはどれか。次の 1 ~ 5 の中から選べ。
ただし,往復観測値の較差の許容範囲は 2.5 mm√S,S は観測距離(片道,km 単位)とする。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

表 12
観測区間観測距離往路の観測高低差復路の観測高低差
A ~(1)400 m+4.7851 m−4.7845 m
(1)~(2)600 m−1.2125 m+1.2139 m
(2)~(3)500 m+3.4157 m−3.4140 m
(3)~ B700 m+0.7118 m−0.7114 m
第12問の図表
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解説

💡 区間ごとに 2.5√S を確かめた後、路線全体(較差の合計と 2.5√全長)も確かめる。超えたら許容範囲に対する割合が最大の区間を再測。

1級水準測量の往復観測値の較差の許容範囲 2.5 mm√S(準則第65条)で良否を判定する。区間ごとに確かめるだけでなく、路線全体(A~B)でも較差が許容範囲に収まっているかを確かめるのがこの問題の要点。

① 区間ごとの較差と許容範囲

較差は往路と復路の高低差の和(符号付き)。√0.4 は関数表の √40 = 6.32456 を 10 で割って 0.632 とする(√0.6、√0.5、√0.7 も同じ要領)。

区間S較差許容範囲 2.5√S較差÷許容範囲
A~(1)0.4 km+0.6 mm2.5 × 0.632 = 1.58 mm0.38
(1)~(2)0.6 km+1.4 mm2.5 × 0.775 = 1.94 mm0.72
(2)~(3)0.5 km+1.7 mm2.5 × 0.707 = 1.77 mm0.96
(3)~B0.7 km+0.4 mm2.5 × 0.837 = 2.09 mm0.19

どの区間も、単独では許容範囲に収まっている。

② 路線全体(A~B)で確かめる

較差がすべて同じ符号(+)なので、路線全体では積み重なる。合計 = 0.6 + 1.4 + 1.7 + 0.4 = +4.1 mm。

全長 S = 0.4 + 0.6 + 0.5 + 0.7 = 2.2 km、許容範囲 = 2.5 × √2.2 ≒ 2.5 × 1.483 ≒ 3.71 mm(√2.2 は電卓の √ で求める)。

4.1 mm > 3.71 mm なので、路線全体では許容範囲を超えている。

③ どの区間を再測するか

どこかの区間をやり直す必要がある。最も疑わしいのは、許容範囲に対する較差の割合が最も大きい区間で、表の(2)~(3)(0.96)がそれにあたる。

再測すべき区間は(2)~(3)。よって 選択肢 3。

※ 区間ごとの判定だけで止めると「再測の必要はない」(選択肢 5)を選んでしまう。較差が一方向にそろっているときは、路線全体の合計にも気を配る。