次の文は,GNSS 測量機を用いた測量の誤差について述べたものである。[ア]~[エ]に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。
GNSS 測量機を用いた測量における主要な誤差要因には,GNSS 衛星位置や時計などの誤差に加え,GNSS 衛星から観測点までに電波が伝搬する過程で生じる誤差がある。そのうち,[ア]は周波数に依存するため,2周波の観測により軽減することができる。特に,10 km より長い基線の観測では,2周波を受信できるGNSS 測量機を使う必要がある。一方,[イ]は周波数に依存せず,2周波の観測により軽減することができないため,基線解析ソフトウェアで採用している標準値を用いて近似的に補正が行われる。[ウ]法では,電子基準点の観測データから作られる補正量などを取得し,解析処理を行うことで,これらの誤差を軽減している。
ただし,GNSS 衛星から直接到達する電波以外に電波が構造物などに当たって反射したものが受信される現象である[エ]による誤差は,[ウ]法によっても補正できないので,選点に当たっては,周辺に構造物などが無い場所を選ぶなどの注意が必要である。
解説
GNSS の電波が大気を通るときの遅れ(電離層・対流圏)と、反射波による誤差、それらを電子基準点のデータで補う方法を結び付ける問題。
電離層での遅れは電波の周波数によって大きさが変わる。周波数の違う2つの電波を受ければ、その差から遅れを推定して消せる。長い基線ほど2点の電離層の状態が違ってくるので、2周波機が必要になる。
対流圏での遅れは周波数に関係しないため、2周波でも消せない。気温・気圧などの標準的な大気モデルを使って補正する。なお「成層圏遅延誤差」という区分は GNSS の誤差要因として通常扱わない。
周囲の電子基準点の観測データから補正量を作り、それを受け取って解析することで、大気による誤差などを小さくする方式。
建物などで反射した電波が直接波と一緒に受信される現象。観測点ごとの周りの状況で起きるため補正データでは消せず、選点で避けるしかない。サイクルスリップは電波の受信が途切れて搬送波の位相の数え方がずれる現象で、反射とは別のものである。